【色彩心理学】色が持つ不思議な力と効果

色は人の心の働きに影響を与える。衣服や絵画、Webページなど、基本的に世の中に色のない物はないので、物作りに携わる者は色の心理学について多少の知識を持つほうが良い。

 

赤色が持つ不思議な効果

 

赤は、非常に目立ち、視覚誘導する時も認識しやすい色と言われています。

 

新生児のことを日本語では「赤ちゃん」「赤ん坊」「赤子」などと呼ぶ。これは、出生後に最初に認識出来る色は赤であるため

 

「赤」の暖色効果は、インテリアに利用すれば季節感の演出だけでなく、実際の体感温度にも効果があります。
ある実験では、同じ温度の青い部屋と赤い部屋に入ったときの体感温度には、3度も差があったそうです。

赤は購買色と言われ、カラーマーケティングでは赤を入れるかどうかで、売上が20%前後も違うといわれています。バーゲンやワゴンセールの広告や値札に赤が使われていることが多いのはこのため。

青色が持つ不思議な効果

空や海の色でもある青は気持ちを静め、心を落ち着かせる色です。
青の心理的効果は「沈静色」「寒色(冷たさを感じる色)」「後退色」

自然界にはあまり青い食べ物がないため青色は食への興味を減らします。青色の食欲減退効果を使って夜食を食べる前に青いものをみてお腹が本当に減っているか確認するといいかもしれません。

 

青色は集中力を高めるので、青いペンを内容をまとめるときや暗記するときに使うと良いと言います。
受験漫画で有名な「ドラゴン桜」でも、青いペンを使う場面があります。

カネボウ美容研究所が「青の照明下で、被験者は涼しさを感じ、5分以内に皮膚温が2度下がり、脈拍はゆっくりになり、精神集中する時やリラックスする時に出る脳波のアルファー波が増えた」と発表しています。

黄色が持つ不思議な効果

 

黄色は、もっとも自然光に近い色です。人に喜びや希望を与え、楽天的な考え方をもたらし、社交的で楽しい気分を生み出します。

風水で黄色は、金運アップ、変革、変化。
また、こうなりたいと思う自分になれるというような効果があります。
まずは、こうなりたい自分、理想的な自分をじっくり頭にイメージして、黄色を思いっきり大胆に使うことです。

黄色い光は交感・副交感神経を刺激するから、注意を喚起しやすく、そのため道路工事や黄色信号などの注意サイレンによく使われる

黄色は、知性と理解力を刺激するので、考えを系統立てまとめたいときや、知的能力をためされる場(試験や面接など)で助けになる。 不安や自信のなさを解消し、気持ちに力を与え、知的に振舞うための心の余裕を与えてくれる色です。

黄色の光は、神経や皮膚、消化器系に影響を与えます。あらゆる神経に作用し、消化を助け、胃を強くし、胃腸内のガスを排出する特質をもちます。
便秘がちな方は、トイレのスリッパや便座カバーなどに黄色を取り入れると良いでしょう。

出典カラーセラピー色の効果|ペットロス虹の橋へ

緑色が持つ不思議な効果

緊張感を和らげ、目の疲れを和らげます。
緑を見たり、手入れをすることによって緊張感がやわらぎ、心の癒しになることが実験で確かめられています。

 

会議でアイデアが行き詰まったりした時に、少し休憩をとって自然の緑がいっぱいある公園を散歩してみてください。散歩から戻った後は、気持ちも頭もすっかりリフレッシュ。活性化された脳からは、どんどんいいアイデアが出るようになるとか。

黄色と青の中間色の緑は、感情を抑制する理性的な要素をもっていると言われています。健康・自然・若さ・新鮮・有望・平静・平和・やすらぎ、などをイメージさせるため、エコや教育関連のサイトでよく使われています。

子供のための部屋に緑色を使うと心が落ち着き、人間関係を作るのが上手になる、安心感が得られるなどの効果があることが分かっています。

紫色が持つ不思議な効果

赤と青の色の幅からなる紫はその両方のエネルギーを秘めています。青の鎮静効果を赤のエネルギッシュなパワー、その両方の性質があるので感性を鋭くしインスピレーションを高めてくれます。

紫色のインテリアは、その空間にいる人の感受性を高め、情緒をゆたかにする働きがあり、さらに、自分の直感に頼って判断するようになること、より美しいものを自ずと選ぶ心理作用があります。

紫は体の回復機能を高める作用があるため、病気や疲労感の回復をはかろうとして本能的に紫に惹かれることがあります。
寝具においては、たとえば淡い紫のシーツを敷くと、深い眠りに誘われると言われています。

古代から特別な色として用いられてきたため、高貴さ、神秘的、幻想的などのイメージがあります。合成染料が開発されるまで紫の染料は大変貴重で高価なものでした、そのため日本だけでなく世界的に高貴な色として特別な人の色とされてきました。

ピンク色が持つ不思議な効果

どんな色でも、色彩心理学的に良い面と悪い面の影響を与えるものだが、ピンクに関して言えば、マイナスの面が少ないというのが特徴のようである。

ピンクは女性ホルモンなどの分泌を促す色とされ、多くの女性にとって永遠のテーマである美と若さをつかさどる色なのです。
穏やかなピンクは筋肉の緊張、弛緩を数値として表したライト・トーナス値が最も低い色とされており、交感神経に働きかけ脳を活性化したり、血行を良くしたりする効果があると言われています。

 

ピンクはとりわけ女性の色というイメージが強い色ですが、もちろん男性にも効果的です。
アメリカでは刑務所内の壁や床などをピンク色にしたり、衣服をピンクで統一したりすることにより争いが減り、再犯率が低下したという例もあるほどです。

オレンジ色が持つ不思議な効果

喜びや幸福感を感じさせる色。ポジティブなイメージが強く、いろんなシーンで使いやすいカラーです。しかし、使いすぎるとくどくなったり、しつこい、けばけばしいなどと、避けられてしまいがちな色にもなる。

オレンジ色などの暖色は膨張色といって、大きくみせたり、体型でいうと太って見えたりする色です。
しかしオレンジ色は、暖色系の中でもとくにやわらかく、ぬくもりに満ちた色として扱われています。
それは、炎の色、太陽の色などを見ても分かるように、人間の潜在意識の中おいて、無意識に暖かい色としての認識があるのでしょう。

出典オレンジ色の意味|カラーセラピー 色診断

白色が持つ不思議な効果

 

白は、すべての光を返してくれる色で、すべての色を含む「光そのもの」です。
白はピュアなイメージがありますが、ゼロではなく、いろんな思いや感情を含んだ色で、
どこにも偏りのない無限の色です。

白は空間を広く感じさせてくれる。
汚れていないイメージや汚してはいけないというイメージが働くので白は神聖なものに多く使われる色。

呼吸器系に作用し呼吸を楽にする効果があります。すっきりして張りのある感覚も得られます。
そもそも病院に白が多く使われていたのは、清潔感とともに、この作用を暗黙のうちに取り入れていたからなのかもしれません。

黒色が持つ不思議な効果

 

黒は他の色を吸収する性質があるのでどんな色ともマッチします。そんな中でも黄色や赤色といった明るい色は組み合わせたときに目立つ色となり使われる頻度が高いカラースキームとなっています。

 

エネルギーを低下させ、絶望感を抱かせる色です。長時間、黒一色の空間に人間を置くと諸臓器器官の活動が著しく低下します。

シャープさを演出でき、収縮色なので見た目に引き締め効果もあります。重さも感じるので頑丈で丈夫なイメージも印象づけます。